現代の高級時計は、ほとんどがスイスメイドです。
国を挙げて時計製造に力を入れているスイスは長らく時計大国として名を馳せてきた歴史をもち、時計に関する数多くの祭典やイベントはスイス国内で開かれます。
そして、今回私たちが視察に訪れた「バーゼルワールド」というイベントもその一つです。
バーゼルワールドはスイスのバーゼルという街で開催される世界最大規模の新作見本市。時計業界の一大イベントであり、1年間で最も高級時計に注目が集まるイベントです。
その年のトレンドが分かる一大イベントであるため、銀座RASINでもこのイベントには力を入れています。
今年は現地にて新作情報をリアルタイムにレポートするため、当店から2名のスタッフがスイスへと旅立ちました。
1日目 成田空港→フランクフルト→フライブルグ
3月21日(土)の11時フライトにて、私たちはスイス(ドイツ フランクフルト経由)に旅立ちました。
遅れたらシャレにならないので、9時に成田空港に集合。
ワクワク半分、不安半分な気持ちで搭乗手続き、手荷物検査、出国手続きを済ませ、フランクフルト行きの飛行機に搭乗しました。
ちなみに、海外出張するからには英語ペラペラだと思いますよね?
実は英語しゃべれません。いやー不安です。
この時点ではまだ体力に溢れているので、2回の機内食を含めながら4本の映画を見ました。
尚、JAL便だったので、日本人向けコンテンツがかなり豊富でした。そのため長時間フライトもそこまで苦ではなかったです。
フランクフルトを経由しフライブルグへ
現地時間15時過ぎにドイツ・フランクフルトに到着。
第2ターミナルに到着しましたが、駅に直結しているのは第1ターミナルなので、そちらを目指すことに。
最初は自分たちがどちらのターミナルにいるのか分からなかったので、第2ターミナルを彷徨っていました。
異国の地の洗礼を受けた気分です。ドイツ語は何書いてあるのか分かりません。。
何とか苦難を乗り越え、17時前には本日の宿がある街”フライブルグ”に向かうための列車に乗り込むことができました。
尚、スイス出張なのにドイツに宿泊する理由は「スイスの物価が高いから」です。
ドイツの鉄道に乗るときは「DB Navigator」というアプリが便利。
乗換案内としての機能は勿論のこと、スマホにチケットを入れられるので、全てをシンプルにまとめることができます。
加えて事前に「ジャーマンレイルパス」という周遊きっぷを買っておいたので、バーゼルまでは列車乗り放題です!
日本でいう新幹線にも乗れちゃいます。
また、ドイツには改札がないため、スムーズな乗り降りが可能でした。ほぼ迷うことがないため、言語に不安があっても余裕です。
やはり旅は下準備が大切。本当に。
電車に揺られ、約2時間半。
19時半頃には無事フライブルグに到着しました。
駅舎にて食事をとったのち、徒歩でホテルに向かいチェックイン。
異国の地で体力を使ったせいか、すぐに寝ることができました。
2日目 フライブルグ→バーゼル→フライブルグ
朝7時頃。ホテルにてを食べたのち、いよいよ今回の出張の目的である「バーゼルワールド」へ出発!
まずはフライブルグ駅からバーゼル駅へ移動します。
ここでも「ジャーマンレイルパス」が活躍!
お陰で、駅であたふたすることは一切ありませんでした。
バーゼルに到着!いよいよバーゼルワールドへ
9時にはバーゼルワールドに無事到着。
バーゼルワールドは9時~17時までなので、時間をフル活用し、各ブランドの新作情報を集めます。
日本でもよく見かけるエントランスホールの写真。遂に自らの足で踏みいれることができました。
【ひたすら各ブースを回り、情報収集&写真撮影】
会場は大きく東棟(入口に大きな時計がある建物)と西棟(円形の吹き抜けがある建物)に分かれていました。
最初はこれが分からなかったので、東棟から入ることに。ただ、途中でロレックス等の人気ブランドが出店しているのは西棟だと気づき、移動。
その後、1人は写真を撮る係、もう1人はSNSにアップしていく係に分かれて作業を続けました。
出展されている時計はかなりの数がありるため、当店が力を入れているブランドを撮り終える頃にはイベント終了時刻の17時に。
視察日を2日間設けてよかった。。
夕方 バーゼル散策
バーゼルワールドでの視察(1日目)を終え、夕方はバーゼルの街を散策しました。
バーゼルはドイツに近い位置にある街なので、公用語はドイツ語。街並みもドイツに近いです。
会場から徒歩圏内で行ける商店街はかなり栄えている印象。
一通りバーゼルの街を探索し終えたら、ホテルのあるフライブルグへと戻りました。
3日目 フライブルグ→バーゼル→ジュネーヴ
2日目と同様、フライブルグ駅からバーゼル駅へ向かい、バーゼルワールドへ。
前日の取りこぼしや回り切れなかったブランドのブースを回りました。
本日もひたすら各ブランドの新作をチェックと写真撮影。
会場内がとても広いため、各ブランドを網羅するには思った以上に体力が必要でした。
【2日間のバーゼルワールド視察の感想】
■何が新モデルか分からないブランドが多かった。
■混んでいるのは西棟(入り口が吹き抜け)1階のホールがメインで、東棟(入り口に大きな時計)はそこまで混んでいなかった。
■写真を見た通り撮るのが難しい。(時計に照明が写り込む、白熱灯照明が使われており、色が伝わりずらい)
バーゼルワールドを後にした私たちは、「バーゼルSBB駅」に徒歩にて移動。
そして、バーゼルSBB駅からジュネーブ空港駅への切符を買い、列車に乗り込みました。
ちなみにフライブルグ駅からバーゼル駅への移動は「ドイツ→スイス」間の移動だったので”ジャーマンレイルパス”が使用できましたが、「バーゼル→ジュネーヴ」の移動はスイス国内の移動となるため、今回は切符を買う必要があります。
ジュネーブ空港駅に到着した後はホテルのシャトルバスにて最後の宿泊ホテルに移動。
スイスのホテルということもあり、フライブルグのホテルよりも割高でした。
また、海外のホテルは日本のホテルのように充実したアミニティはありません。シャンプーすらもなく、ボディソープがポツンと置いてあるだけ。
改めて日本のホテルのクオリティの高さを痛感しました。
4日目 ジュネーヴ市内観光
メインの任務は終え、精神的にゆとりを得た私たち。
この日はホテルにて優雅にバイキング朝食をとりました。
朝食のラインナップはどちらもホテルも特に変わりなく、シリアル・チーズ・ソーセージ・サラミ・パンといった一般的なラインナップ。
ソーセージ・サラミは美味しかったでのすが、パンが固い。。
ホテルを後にした後はジュネーヴ観光。この日は天気が良かったため、かなり気持ちよく過ごせました。
ただ、日本と比べると乾燥してます。
中世の街並みと近代文明が入り組んだジュネーヴ。フライブルグやバーゼルと比較すると、洗練された街並みです。
また、スイスの公用語はドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語の4言語ですが、ジュネーヴでは主にフランス語が公用語。看板やお店のメニューもフランス語表記しかなく、よくわかりません。
昼食をとったビストロのメニュー表。まったく意味が分かりませんが、なんとかハンバーガーとステーキを注文することができました。
スイスに行く際にはドイツ語・フランス語のアプリは入れておいたほうが良いかもしれません。
ジュネーヴ観光① ロレックス本社
最も有名な高級時計ブランドであるロレックスの本社がコチラ。ただ、土曜で休日だったらしく人っ子一人いませんでした。
また、会社の周りは結構な田舎。繊細な機械を扱う職場なので、周囲環境がうるさすぎるのも微妙なんでしょうね。
ジュネーヴ観光② パテックミュージアム
時計界の頂点を称されるパテックフィリップの事がよくわかる「パテックミュージアム」
4階建てとなっており、1階が工房時代の工具の展示&パテック・フィリップ創業のフィルムの上映。メインエリアである2階と3階は、1800以上の時計が展示されています。4階は文献資料の展示コーナーです。
エナメルの絵付けが美しい時計、金細工が美しい時計を覘くことができました。
※残念ながら館内の写真撮影はNG
ジュネーヴ観光③レマン湖 サンピエール大聖堂など
都心部とは思えないほど澄んでいるレマン湖。癒されます。
様々な建築様式が混合しているサンピエール大聖堂。小高い丘の上に合り、道のりの斜面は結構急でした。
時計大国スイスらしい大きな花時計もジュネーヴには存在します。
一通り街を回ってみましたが、スリ・置き引き・詐欺といった危険に遭遇することは皆無であり、スイスの治安は評判通りヨーロッパの中ではかなり良いと思いました。
観光後、ホテルに戻って就寝。自分が思っていたより疲れが溜まっていたようで、夕食を食べずにそのまま爆睡してしまいました。
次の日は朝5時起きなので、丁度いいといえば丁度よいのですが。。
5日目 ジュネーヴ→ロンドン→成田空港
最終日は朝5時に起き、シャトルバスでジュネーヴ空港へ。
後は日本に帰国するだけなのですが、ジュネーヴ空港からは日本への直行便がないため、ロンドンの”ヒースロー空港”を経由して日本へ帰国します。
まずはジュネーヴ空港で搭乗手続き、手荷物検査、出国手続きを済まし、7時発の飛行機にてヒースロー空港へ。
9時前にはイギリス、ロンドンのヒースロー空港に到着。ハブ空港だけあってかなり大きな空港です。
建物間を地下鉄で移動しなければならない巨大空港ですが、到着も出発も第5ターミナルだったので、移動は最小限でした。
待ち時間にイギリス名物スコーンを折角なので堪能。ちなみにジンジャービールはお酒ではありませんでした。
最後はブリティッシュエアウェイズ便にて日本へ帰国。
13時間にも及ぶ長時間フライトでしたが、 映画を5本見ることで時間を潰しました。
ただ、機内食はやはりJALの勝ち。海外にいくと、街並みの美しさに感動もしますが、日本の良さも改めて実感できます。
飛行機の窓から富士山が見え、日本に帰ってきたことを実感。
タイトなスケジュールでしたが、充実したスイス出張でした。
※帰国した時間が日本の通勤ラッシュの時間だったので、疲れてる体に追い打ちをかけるように揉みくちゃにされました。
最後の最後に「やっぱり日本の通勤ラッシュは最悪だな」と日本の悪いところに目を向けるオチが待っていたという。。
最後に
初めてのヨーロッパ出張でしたが、事前に下調べをしていったこともあり、ほとんど迷うことなくスケジュールをこなすことが出来ました。
不安視していた英語も片言の英語で十分ということが分かり、スリ等のトラブルに巻き込まれることも無かったです。
大変なこともありましたが、是非また行きたいと思える出張でした。
来年も誰かがこの役割を果たすことになりますが、その時は今回の経験をしっかり継承していきたいと思います。